新型コロナウイルスに立ち向かっている、各国首脳たち。
ここにきて女性リーダーのほうがコロナ対策に成功している例が多いと言われています。
コロナウイルスに立ち向かう女性首脳たち。
左上から、ドイツ・メルケル首相、台湾・蔡英文総統、ニュージーランド・アーダーン首相
左下から、アイスランド・ヤコブスドッティル首相、フィンランド・マリン首相、
デンマーク・フレデリクセン首相
ドイツ:アンゲラ・メルケル首相
ドイツでは週35万件に上る検査を通じて感染者を早期に発見し、
隔離措置や効果的な治療を施しています。
アンゲラ・メルケル首相は3月28日、コロナウイルス感染拡大阻止に向け
国民に向けて、心のこもった力強い演説を行いました。
日本語訳の朗読がありますので、わかりやすいです。
論座というHPの中に、このメルケル首相の演説の日本語文があります。
【新型コロナに挑む民主主義 メルケル独首相「第2次大戦以来の挑戦」演説の心髄】---->こちら
ドイツ大使館HP内のメルケル首相の演説一覧は----->こちら
●試練克服は「全国民の任務」 ●医療現場の人々への感謝
●移動制限は民主主義社会で決して軽々しく発動されてはいけないが、
今は、多くの命を救うために欠かせない。
●食糧の供給の保障とそれに携わる人々への感謝
●苦難の時は寄り添いたいものだが、反対のことをせねばならない。
大事なのは互いの距離を保つこと。
などわかりやすく、しかしながら力強く説いています。
台湾:蔡英文総統の政策
今回の新型コロナウイルスにいち早く警鐘を鳴らしたのは台湾であり、
蔡英文総統の指導のもと、渡航者の検疫、国民健康保険証に登録されたデータと
ビッグデータを結びつけた分析を実施、素早く感染者を探し出せる仕組みを作りました。
現在も感染者を400人以下に抑え、アメリカや欧州11ヶ国に1000万枚のマスクを寄贈しています。
— 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) April 18, 2020
マスク不足の日本に対し、台湾は4/16にマスク200万枚を贈ると発表しました。
ありがとうございます。
一番話題になったのは、マスク大臣ことデジタル担当政務委員である
天才IT大臣、唐鳳(オードリー・タン)さんです。
台湾も一時期マスク不足になりましたが、唐鳳さんは「マスク在庫マップ」を数日で完成させ、
購買履歴と身分証を紐付けして、すべての国民にマスクが行き渡るようにしました。
💁 同僚の @urakagi が翻訳と吹き替えを担当してくれました。日本の皆さんのお役に立てれば幸いです。
— Audrey Tang 唐鳳 (@audreyt) April 1, 2020
ℹ️ 注意:この方法が使えるのは、破損していなくて汚れてもいない、室外または感染リスクの低い場所で使用されたサージカルマスクのみです。また、本消毒法は 3~5 回が限界です。 pic.twitter.com/HIVVvZEErB
唐鳳さんが紹介するマスクの再生方法。
「電鍋=電気なべ」が日本ではあまり普及していないのが残念ですが……
唐鳳さんのような、若くても有能なスペシャリストを国の重要なポストに選ぶ
蔡総統の政治手腕は素晴らしいと思います。
ニュージーランド:ジャシンダ・アーダーン首相の政策

3月下旬、新型コロナ警戒水準を最高の「レベル4」に設定し、
二―ヴちゃんを寝かしつけた後、自宅から国民の質問に答えたアーダーン首相。
とても親近感が持てますね。ママ、がんばれ!
アイスランド:カトリーン・ヤコブスドッティル首相の政策
ママといえば、2005,、2007、2011年に出産し、3人の息子さんがいる、
アイスランドのヤコブスドッティル(Katrín Jakobsdóttir)首相も。
国民全員に対し無料の新型コロナウイルス検査を提供しています。
息子さんを抱く、ヤコブスドッティル首相と旦那さんのGunnar Sigvaldasonさん。
国立大学病院が医療関係者の検査を、
バイオ医薬品会社、デコード・ジェネティクスが一般市民の検査を主に実施しているそう。
詳しくはCNNのHPをご覧ください。
「陽性者の半数は無症状」 アイスランドの徹底した検査に学ぶーーー>こちら
初期の徹底した検査と患者の適切な隔離の結果、
検査を受けた人のうち、陽性反応を示したのは1%未満で、
このうち約半分が無症状とのこと。
徹底的な追跡システムも導入しています。
フィンランド:サンナ・マリン首相の政策
2019年12月に世界最年少の国家元首として就任したマリン(Sanna Mirella Marin)首相。
マリン首相は、お母さんとその同性パートナーのレインボーファミリーで育ちました。
2018年には娘のエマちゃんを出産した、こちらも小さなお子さんを持つママさんです。
エマちゃんを抱く、マリン首相。母の慈愛に満ちています。
マリン首相はフィンランドでソーシャルメディアで影響力の強いインフルエンサーを
新型コロナウイルス対策に動員。若い首相ならではの政策を行いました。
さまざまな年齢層のインフルエンサーに対して、
感染拡大防止に向けた正しい情報発信に心がけています。
欧州で次々と感染爆発していますが、
フィンランドでは3681人と比較的感染を抑えています。
デンマーク:フレデリクセン首相の政策
2人の子持ちママであるデンマークのフレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は、
欧州の中でも早くからロックダウンを行いました。
3月12日のフレデリクセン首相の会見で、翌日からの学校や会社の閉鎖を発表、
10人以上の集会の禁止を宣言しました。
その結果、4月上旬から1日あたりの感染者数の減少傾向が続いたため、
4月中旬から自粛活動を段階的に解除すると発表し、
4月15日から保育園や小学校が再開されたそうです。
子どもの質問に答える、フレデリクセン首相。
ママ首相はいずれも子どもにもわかりやすく新型コロナウイルスの正しい知識と
対策を説いているのが素晴らしいと思います。
「子どもにわかる」説明ができるということは、
もちろん大人にもとってもわかりやすいということ。
日本の政治家で、これができる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
ノルウェー:アーナ・ソールバルグ首相の政策
北欧の5ヶ国のうち、現在4人が女性リーダーなのですが、同じく北欧の国である、
ノルウェーのアーナ・ソールバルグ(Erna Solberg)首相も
子どもに対してテレビで大人の参加を禁じた記者会見を開きました。
恐怖を感じるのはしようがないこと、けれども立ち向かわなければいけないことを
心をこめて説明しました。
Solidarite(ソリダリテ)という言葉をテレビや新聞で見かけるそうです。
「他者と距離を取ろう、相手には触らないように」
という言い方を、政治家も市民もするようになっています。
詳しくはGLOBE+の記事をご覧ください。
「新型コロナと「おもいやり」 ノルウェーでの対策と議論」--->こちら

そのために子どもたちはどうしなればいけないか、を
