マトリョーシカには民話やロシアの物語が胴体に描かれたタイプがあります。
もともとは、ラッカーミニアチュール(細密画)の作品に描かれることが多いですが、
作家さんは伝統工芸の技法を取り入れて、マトリョーシカを作ることもしばしば。
ヒントは2つのマトリョーシカに描かれている、特長的な「鳥」です。
ロシア民話マトリョーシカ<イワン王子と灰色狼> 5ピース 【販売ページ】
「イワン王子と火の鳥と灰色狼」(イワン王子と灰色狼とも)が題材のマトリョーシカです。
(Иван-царевич, жар-птица и Серый волк)
王様の命令で火の鳥を捕まえることになった3人の王子。
末っ子のイワン王子は、不思議な力を持つ灰色狼に助けられて、美しいエレーナ姫と出会い、
金のたてがみの馬を連れ、最後に火の鳥も捕まえます。
ところが、2人のいじわるな兄たちの策略で、イワン王子は殺され、手柄を横取りされてしまうのです。
イワン王子の死を知った灰色狼は、命の水を王子にかけると、イワンは生き返り、
無事にお城に戻って、エレーナ姫と結婚して、幸せに暮らしました。
ロシアの作曲家であるイーゴリ・ストラヴィンスキーは、この物語をベースにして、
バレエ「火の鳥 Жар-птица」を作りました。
後姿です。パールホワイト地にニスをかけ、その上に白で模様を描いてあるので、
まるでレースのベールをかぶっているかのよう。
さて、続いての物語は……
この物語は?
ナジェージダ作 ロシア民話マトリョーシカ<ルスランとリュドミーラ > 5ピース 【販売ページ】
ロシアの詩人 プーシキンが書き上げた最初の物語詩、
「ルスランとリュドミーラ Руслан и Людмила」 です。
キエフ大公国のリュドミラ姫と騎士・ルスランの婚礼の途中、
魔術師・チェルノモールが現われ、リュドミラをさらっていきます。
ルスランと、姫を愛していたライバル2人の若者は、姫を探す旅にでかけます。
いろいろな黒魔術、美しい女性の誘惑、そしてライバルたちの嫉妬による罠……
勇者ルスランはさまざまな困難を解決し、姫を無事に連れて帰り、2人はまた結ばれます。
ロシアの作曲家、ミハイル・グリンカによってオペラにもなりました。
マトリョーシカから、ロシアのお話、そしてそれにつながるバレエやオペラなどの芸術に
興味を持っていただけましたら、うれしいです。